ビルメンの実務において第一種電気工事士資格は必ずしも必要なものとは言えません。
しかし仕事に必要な知識や資格取得で得られる資格手当など、第一種電気工事士免状を取得するメリットはあります。
第一種電気工事士の試験は、受験資格こそありませんが第二種電気工事士とは違い、免状取得に実務経験が必要です。
免状取得に必要な実務経験は日常的に電気工事をしないビルメンにとってはネックになる部分かと思います。
試験合格については一生失効することはありませんが、資格試験に挑戦するなら免状を取得したいと思うのは当然のことかと思います。
そこで今回はこんな疑問にお答えします!
- ビルメンで第一種電気工事士の免状って取得できるの?
- ビルメンで必要な実務経験ってどんなもの?
現役ビルメンの僕は実際に第一種電気工事士試験に合格して免状も取得できました。
「実務経験は大丈夫!!」という方で、申請方法を知りたい人はこちらから確認してください。
ビルメンが必要な実務経験とは
実務経験年数の変更
まず初めに、2021年4月1日から第一種電気工事士の免状取得に必要な実務経験が、5年以上(例外あり)から一律3年以上に変更されました。
これにより、条件さえクリアできれば3年の実務経験でビルメンテナンス勤務者でも第一種電気工事士の免状が取得できます。
以前より免状取得が楽になったんだぞ!
ビルメンが実務経験を証明できる条件は契約電力で変わる
ビルメンが配属されるほとんどの現場は自家用電気工作物です。
ここでは自家用電気工作物の現場でビルメンテナンスをしていることを前提に
契約電力が
- 500kw以上
- 500kw未満
の場合で、実務経験に必要な条件について説明していきます。
契約電力については、各自現場で確認しておきましょう!!
契約電力500kw以上の自家用電気工作物の場合
契約電力500kw以上の自家用電気工作物では「電気主任技術者の指導監督のもとで行った電気工事」でなければ実務経験として認められません。
この場合、無資格者であっても問題ありません。ここでいう無資格者というのは電気工事士の免状を保有していない人のことです。
つまり、契約電力500kw以上の自家用電気工作物で行う電気工事は、資格保有の有無に関係なく電気主任技術者の指導監督さえあればいいということです。
とはいえ、ビルメンで電気工事をする都度、電気主任技術者に立会いをしてもらうのは現実的ではありませんよね。
ここについては、申請時に厳しく追及されることはないため、電気主任技術者の指導監督のもと作業しましたと記載しておけば問題ありません。
実はビルメン現場のほとんどは電気工事士の免状がなくても電気工事ができる。しかし、電気工事をする場合は必ず電気主任技術者の立会が必要になるのさ!
また、電気工事をしないビルメンテナンス業務
- 保守点検
- 運転管理
- 巡回点検
は実務経験として認められていません。
ただし、電気主任技術者の免状を保有している方であれば、上記条件でも実務経験が認められます。
契約電力500kw未満の自家用電気工作物の場合
契約電力500kw未満の自家用電気工作物では電気主任技術者の指導監督のもとで行う電気工事を「認定電気工事従事者資格保有者」が行う電気工事についてのみ、実務経験が認められます。
電気工事をしないビルメンテナンス業務については、500Kw以上の自家用電気工作物の条件と同様に、実務経験は電気主任技術者の資格保有者のみ認められます。
また認定電気工事従事者とは、契約電力500kw未満の自家用電気工作物で電気工事ができる資格です。
取得条件は次の通りになります。
必要資格 | 条件 |
---|---|
第一種電気工事士 (試験合格者) | なし (申請のみ) |
第二種電気工事士 | 講習受講 (3年以上の実務経験者は申請のみ) |
電気主任技術者 | 講習受講 (3年以上の実務経験者は申請のみ) |
認定電気工事従事者は第一種電気工事士の試験合格者なら講習を受講せずに即時申請のみで取得できるのじゃ。
電気工事業の登録の有無について
自分の会社が電気工事業の登録をしていないから、第一種電気工事士の資格取得を諦めている人はいませんか?
実を言うと契約電力500kw以上の自家用電気工作物の現場で働いていれば、電気工事業の登録がない会社でも免状が取得可能です。
電気工事業の登録が必要なケースは契約電力が500kw未満の自家用電気工作物の場合(または契約電力50kw未満の一般用電気工作物)です。
つまり多くのビルメンテナンスの現場は500kw以上の自家用電気工作物であることから、ほとんどの場合で電気工事業の登録は必要ないと言えます。
これは結構勘違いしている人が多いぜ。
まとめ
ビルメンテナンスでも条件を満たせば第一種電気工事士の免状を取得できます。
試験の合格率からもわかる通り、難易度も第二種電気工事士とあまり変わりません。
免状申請認可もそこまで厳しいものではありませんので、この機会に第一種電気工事士の資格に挑戦してみてはいかがでしょうか?